GrumpyCat

私的映画やドラマで学んだ事をイラストにまとめているブログ。時々猫。

心にぽっかり空いた穴は誰が埋めるのか? ~アリー/スター誕生観てきて~

こんにちは~。

 

今回は映画アリー/スター誕生について語りたいと思います。クリスマスイブかクリスマス当日に上げようと思っていたのにいつの間にか過ぎてしまいました〜。12月は本当忙しいですね。

駆け込みで無茶を言ってくる取引先にわあっ('Д')って思いながらはいはい~とリプライし、パソコンカタカタ ターンッして仕事を収めてまいりました。

 

まず、この映画を観てきたのは出産したばかりの友達が観に行けないとの事でチケットをくれたのです。せっかくチケットを貰ったので、何としてでも期間中に行かなくては、と思い、クリスマス期間中激混みのシネコンに行ってまいりました。

まず、チケットを貰っておいて、こんな事を言うのは本当に最低、どクズなのですが、チケットがなければあえて自分で選ぶ映画ではありませんでした。

ガガ様は好きだけと、すっごいファンではないし、予告を見て、あー何かストーリー

予想できちゃうなあと思ってしまうこの感じ、わかりますでしょうか?まだの人はぜひ予告を見てね。

 

 

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才能はあるけど芽が咲かず、毎日くすぶっている主人公がある日偶然にも大スターに出会い、お互い恋に落ちる。スターは主人公の才能を見抜き、やがて主人公は有名になり、生活は激変。次第に自分を見失っていき、お互いのすれ違いに…。

 

失礼ですが、どこかで見たり聞いたりした事あるよなあ、こういうストーリー。なんて、映画を観る前から決めつけていました。

 

ストーリーについての感想は後で書きますが、まず、歌が良かった(小並感)。ガガ様なんだから当たり前だろうと言われるだろうけど、何であんなに、対して口開かず物凄い声量が出るんだろう。歌自体もめちゃくちゃ良かった(小並感再び)。映画館に行って映画を観ると、大体どんな映画でも泣いてしまうというという病を患っている私は後半ぼろ泣きでした。歌目当てだけでも観る価値あります。

 

では以下、ネタバレしまくりですので、まだ観ていない方はお気を付けください。

 

 

 

 

 

私が映画を観て一番に感じたのはブログタイトルの通り心にぽっかり空いた穴は誰が埋めるのか?という事です。

 

ストーリーは上記で申し上げた感じで大体合ってると思いますが、映画の主人公はレディ・ガガ演じるアリーより、ブラッドリー・クーパー演じるジャックではないでしょうか。これは彼の物語です。宣伝ではガガ様ばかりフォーカスされていますが、ジャックという男の、生涯の物語。

 

最近ツイッターで見かけ、激しく同意してしまったものがあります。それは、

 

十代の時に手に入らなかったものに、人はずっと執着し続ける。

 

これ、すごく分かる気がします。

 

 大人になってやたらとお金に執着する子の中には実家が貧乏だったりすると聞いた事があります。全員がそうと決めつけるのは失礼だし、人による、と言えばそれまで。でも成長途中の多感な時期に散々辛酸をなめさせられた経験は、その後の人生に大きく影響するというのは分かる。私も十代の時に上手くいかなかった物事(左利きである事を担任にいじめられたりとか、高校の時容姿をディスられたりした)をふとした瞬間に思い出し、苦くなりながら生きています。

ジャックもお父さん、お父さんを失った自分、十分に愛されなかった自分、というのがいつも心の中にあった。アリーではそれを埋めることはできず、彼はますますお酒を飲み、関係も状況もどんどん悪化していく。

 

アリーが駄目だったのではない。お兄さんがいけなかったのでもない。自分を救えるのは結局のところ自分しかいないですものね。他人がきっかけをくれたとしても本人が変わろうとしなければどうにもならない。ジャックは心に空いた穴を、自分で、他の方法で、埋めなければならなかった。

 

 

しかしアリーに自分を重ね、アリーは自分と同じようなミュージシャンになって欲しかったのに、どんどん変わっていく彼女、自分から離れていく彼女、そして堕ちていく自分を見ていられず、結局自死を選ぶ。

 

 

 

 

人と 人が一緒に生きるのは難しい。

何かが上手くいかなくて、けんかしたり話し合ったり、妥協したり謝ったりして物事は解決したように見えても実はどこかで納得いかず、どちらかの心でくすぶっていて、ふとした拍子にまた表面に出てきたりする事はよくある。それが何回も続いたら、行き着く先は諦めか別離しかないのかな、と最近思ったりする。

 

アリー達もジャックがリハビリ施設に入り、観ている私としては、ああこれで後は上手くいくんだって思ったのに、まさかの裏切られた。

 

正直不完全燃焼な映画でした。

え、ジャック自殺しちゃうの!?何、この鬱展開。あと、アリーは結局どんな音楽がしたかったのって感じだった(やりたくない音楽をやらされて悩んでる描写はあったけど途中からなくなる。売れる事が目的になっているならそれはそれで突き進んでいる感じがほしかったけどそんなになかった)。それが、彼の追悼ステージで彼の歌を歌えば全部チャラですか?感動的に、スターにしてくれた彼に感謝、私はこれからもスターでいますってなりますか?

 

何はともあれ、アリーはあのマネージャーを早く切っておくべきでした。彼が一番のガンだった。彼はアリーの事もアリーの音楽の事も愛してはいないし、愛しているとしたら売れている彼女か、それを導いた自分では。彼もビジネスでやったと言わればそれまでだけど、それにしては他人の人生に口出し過ぎでは。マネージャーが家を訪問し、アリーから離れてくれと言い、飲んでいる炭酸水か何かを「その飲み物もいずれまた酒になるだろう」なんて、その言葉がなかったらジャックは死ななかったかも知れない(いや、彼が自殺した原因は他にも沢山あったとしても)。

自分を痛めつけている相手、離れた方がいい相手というのは案外気が付かないものなのかも知れないな、と思いました。

 

 

 一番悲しかったのは、愛犬のチャーリーでした。

リハビリ施設に入っている時アリーが面会に来て、チャーリーは玄関でパパが帰ってくるのを待っているのよ、と言います。彼がガレージのシャッターを閉め、自殺した後もチャーリーが外で待っているシーンがあります。

めっちゃ泣ける~(ノД`)・゜・。

 

他人の自殺に良い悪いなんて言えませんが、愛犬にあんな思いさせるのはしたくないです。チャーリーはこれから先もずっとジャックを待っているのだろうし。

 

 

言いたい放題(書きたい放題)でしたが、映画アリー/スター誕生の感想でした。

 

 またね!